7月25日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先である一般社団法人シブヤフォントの磯村歩共同代表が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計16名が参加しました。

UBSグループとSVP東京のパートナーシップによるコンサルティングセッションの6回目です。社会的課題の解決に取り組むNPOやソーシャル・ベンチャーの課題について、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え実際の取り組みにつなげていく仕組みです。

シブヤフォントの磯村共同代表は、メーカーでデザインと商品開発に携わる中で課題を感じたところから、渋谷区内の障害者支援事業所に通所する障がいのある人が描いたデザインを渋谷区内のデザイン専門学校の学生とプロのデザイナーが協力して、商品パッケージや衣料などに活用できるフォントやパターンにする事業を始めました。障がい者と社会との断絶はまだまだ残っていることに対して、障がい者に対する固定観念を取り払い、地域でのつながりを作るきっかけにするための事業です。そして、フォントやパターンを活用した商品開発などの収入から、障がいのある人たちが事業所で働くことで受け取る工賃の向上に取り組んでいます。
また、地元の渋谷区と協力して進めてきた「シブヤフォント」事業ですが、それに触発されて同様の仕組みで「ご当地フォント」を開発する取り組みが北海道から大分県まで、全国の16地区に広がっているのも大きな特徴です。ご当地フォントが各地での仕事作りにつながっている事例も紹介しました。

シブヤフォントでは、今年4月、東京・原宿の一等地に、実験的出会いの場として「シブヤフォントラボ」を開業。先日、障がいのあるアーティストたちが、プロのスタイリスト、デザイナーと共にファッションショーを作り上げました。

プレゼンの後、グループに分かれての議論では、「シブヤフォントラボ」を使って障がいのある人との “出会いの場” をどう作るか、そしてそれが企業にとってどのような価値につながるかを話し合いました。

議論では、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)は企業にとって重要テーマで、社員の交流や研修の場、あるいは社員が家族と一緒に参加するファミリー・デーの催しに最適だという意見などが出ました。
デザインやアートを活かした商品開発のアイデアは次から次へと出てきます。UBSが以前からNPOと協力して開発している商品のラベルに活用できるのではないか、といったとても具体的な案もあり、実現可能性を大いに感じる時間になりました。

次回セッションは8月29日。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志とSVP東京のパートナーシップで支援できることを模索していく取り組みを続けます。