7月23日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先である一般社団法人カーシェアリング協会の石渡賢大事業推進部長が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計18名が参加し、取り組む社会課題について議論しました。

石渡さんは、東京で暮らしていると車の必要性を感じないかもしれないが、地方では車は「贅沢品」ではなくて、「生活インフラ」だという話からプレゼンを始めました。
(一社)カーシェアリング協会は、2011年の東日本大震災をきっかけに、宮城県石巻市の仮設住宅などで、寄付で集めた車を使った「支え合いの仕組み」をつくるところから活動を始めた団体です。以来15年、「車を寄付すること」を軸に3つの事業を全国各地に広げてきました。

ひとつは、災害があった際に、被災地で車を無償で貸し出す支援。
続いて、車がないと仕事や生活に支障を来す生活困窮者などを対象に、車を格安でリースし、生活の再建を応援する事業。格安で貸す代わりに、もし災害が起こった際には返却してもらって被災地で活用する契約になるプランの普及も積極的に推進しています。
そして、仮設住宅での知見を活かし、「地域作り」を目的として車をシェアして助け合う地域活動の導入と運営支援です。

これらの事業を詳しく説明した後、寄付された車の実例や、寄付した人の思い、それを受け取った人の声などを動画で紹介しました。
能登半島での地震の際には、車を失って身動きできなくなっていた家族から感謝の言葉がありました。

この日、石渡さんが議論のテーマにしたのは、「車の寄付」を日本で「当たり前の選択肢」にするにはどうすればいいかでした。
実際に災害があった際には、一時的に車の寄付による支援がニュースなどで取り上げられることも増えますが、平時には注目されることも少なく、車を寄付するという選択肢があることが社会一般に知られていないからです。
カーシェアリング協会では現場で活用する車はもちろん、動かない車の寄付も募集しており、これまでに約2,400台の寄付を受けてきました。南海トラフ地震が発生した際には200万台以上の車が失われ、支援のために2万台もの車が必要になると推計しており、必要台数と現在の寄付台数に大きなギャップがあることも伝えました。

グループに分かれた議論では、最近車を売った方から「知っていれば考えたのに」という発言が出るなど、身近なものだけに数多くの意見が飛び交いました。
まずは、車を扱う台数が多い企業や業界、例えばタクシー業界や自動車学校などから継続的に寄付してもらうためのアプローチです。
さらに、自動車免許を更新する際にパンフレットなどの情報提供ができないかという案が出ました。特に、免許の返納を考えている高齢者に知ってもらえれば、寄付が有力な選択肢になり、地域で車をシェアしてもらう事業との連携も期待できるという意見は納得感がありました。

2024年に始まったこのセッションは今回が27回目になります。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え、SVP東京と連携して実際の取り組みにつなげていく仕組みです。次回は8月28日の予定です。

※7月30日現在、日本カーシェアリング協会では、令和8年熊本地震に対する支援のため、車のご寄付を呼び掛けています。詳しくは下記のリンクからご覧いただき、ご支援をお願い致します。

https://www.japan-csa.org/benefaction/car.php