4月17日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先であるNPO法人トイミッケの佐々木大志郎代表が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計9名が参加し、取り組む社会課題について議論しました。
佐々木さんのプレゼンは、「見えないホームレス」の話から始まりました。「ホームレス」というと、路上に寝ている人をイメージすることが多いと思いますが、最近増えているのは、それとは違って、スキマバイトなどで不安定ながらも収入があり、ネットカフェなどに宿泊してその日暮らしをしている層です。
20代、30代の若い世代が多いのが特徴です。
生活が維持できているように見えますが、ちょっとしたことで突然、路上に投げ出されてしまう、と佐々木さんは言います。

今の社会は、スマホがあれば仕事もいろいろありますが、あてにしていた仕事が急になくなったり、働いても入金が遅れたり、運営会社の都合でアカウントを止められたりして、その日の夕方や夜になった時点で、「今晩、寝るところがない」という状況に突然陥ることが珍しくないのです。
そんな人たちのために「緊急支援パッケージ」を用意し、その晩、一夜を過ごす場所を提供するところから支援を始めるのがトイミッケです。

「せかいビバーク」と名付けたサイトで、「緊急支援パッケージ」を受け取れる場所を探してもらい、専用のアプリに登録してもらった上で、渡します。
その中には、宿泊費にあてられるクーポンや、連絡を確実に取れるようにするためのモバイルバッテリーなどが入っています。

宿泊した翌日、本人から事情を聴き、生活保護や今後の住まいの確保のためのサポートにつなげます。
さまざまな強みをもっているNPOなどと多数連携していて、その個人のニーズや問題に対応できるNPOなどを紹介するケースも多くあります。
佐々木さんがこの活動を立ち上げたのは、個人的な経験がきっかけでした。

自分自身がネットカフェ生活のホームレス状態になり、いよいよお金がなくなった時には、パニックになったそうです。
支援を受ける側になり、その後、自ら支援活動を進める立場になりました。
この日、佐々木さんが相談したのは、「見えないホームレス」の問題をより広く知ってもらうための方法や、「緊急支援パッケージ」を受け取れる拠点や規模を拡大するための方策についてです。
それに対して、問題を「見える化」するには、社会学を研究する学生の論文テーマにしてもらうなど学術分野との連携が効果的ではないかという意見が出ました。また、受け取り拠点を増やすためには、現在は店頭で店の人などが確認した上で手渡しする仕組みだが、人を介さずに渡せる仕組みができないか、あるいは、支援対象の層が配達の仕事などで接点が多い飲食チェーン店の協力を得られないか、といった案が活発に議論されました。

2024年に始まったこのセッションは今回が24回目になります。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え、SVP東京と連携して実際の取り組みにつなげていく仕組みです。次回は5月21日の予定です。