10月29日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先であるNPO法人きずなメール・プロジェクトの大島由起雄代表が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計22名が参加し、取り組む社会課題について議論しました。
きずなメール・プロジェクトは、出版社の編集者だった大島さん夫婦が創業したNPOです。パートナーである松本ゆかりさんが妊娠した時に、アメリカの友人から『The Pregnancy Journal』という洋書をプレゼントされ、その本が妊娠初期から出産日まで「胎児の発達を1日ごとに紹介」していることに感激したそうです。 その後、こども虐待やソーシャルビジネスのことを知って、「胎児の成長を1日単位で伝えるメッセージ」を社会課題の解消に役立てるためにNPOを設立しました。
メッセージは、複数医師や管理栄養士など、専門家が監修しています。
一方で、有料ではなく無料で多くの人に届ける方針にしたため、活動財源の確保は難しい面があります。自治体の施策に取り入れてもらうことを働きかけ、活動を広げてきました。

2010年の設立から16年。現在、32自治体、および2つの医療機関と協働して配信しています。
最初は妊娠期のサービスとして開始しましたが、出産した後、子どもの18歳の誕生日までゆるやかにつながり続けるサービスに成長しました。
団体名の通り、メールから始まりましたが、今はLINEでの配信が多くなっています。
団体ではいま、課題を「網の目をつめるアクション」と表現しています。

ある自治体できずなメールを採用してもらったとしても、その町の妊婦さんや子育て家庭のすべてに自動的に情報が届くわけではなく、メールやLINE受信の登録をしてもらう必要があります。
また、契約のない自治体に住んでいる方にも、地域情報を含まない原稿を配信していますが、知らない人に知ってもらって配信の登録をしてもらうのは容易ではありません。
大島さんは、産後うつやこども虐待予防なども視界に入れて、子育ての孤立を防ぎ、「ゆるやかにつながり続ける」情報発信が、どうすれば社会的なインフラとして認知され、より多くの人に利用してもらえるか、アイデアを求めました。

グループに分かれての議論からは、出産・育児に関わる企業との連携を考えてはどうか、また、地方銀行は人口減少や子育て支援を課題と考えているところが多いので、有望な協働先になりうるのではないかといった意見がありました。
広報面では、ママの間で知名度のある有名人やインフルエンサーに協力してもらう可能性や、行政から発信してもらうことは信頼度の面からもやはり重要だといった発言がありました。
2024年に始まったこのセッションは今回で30回を数えます。2026年の開催は今回で終わり、来年1月から4年目の活動に入ります。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え、SVP東京と連携して実際の取り組みにつなげていく仕組みです。