8月28日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先である一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会の小澤竹俊代表が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーなど計17名が参加し、取り組む社会課題について議論しました。

小澤代表は、ホスピス病棟などで4,000人を超える方の看取りに関わってきた医師です。
世の中には、「解決できる苦しみ」と「解決できない苦しみ」があるが、解決できない苦しみがあったとしても、穏やかに生きることはできるし、幸せを感じることもできる、そのために必要な考え方として、「ユニバーサル・ホスピスマインド」と名付けた人との関わり方を広めていく活動をしています。

具体的には、苦しみを抱えた相手の声にまず耳を傾け、どれほどマイナスの言葉であっても否定せずにその言葉を繰り返したり沈黙を待つことで、本人が「わかってもらえた」と感じられたり、苦しみを通して本人にとって大切な支えを見出すようなコミュニケーションのあり方などです。これは、ホスピスや医療の現場だけで必要なことではなく、企業や学校、子どもたちにこそ必要な予防的な考え方だと訴えています。専門家が介入する前の、まだ苦しみが小さなうちに、身近な誰かが気づき関わることができたならば、そのコミュニティはより生きやすく、持続可能なものとなると考えるからです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: elc-4-1024x665.png

このコンサルティングセッションでは、新規事業の戦略などビジネス的な観点からの議論をすることが多いのですが、この日のテーマは、「こうした活動をどうしたら自分も今日から実践したいと思うか?」「どのように社会に広められるか?」でした。

参加した人たちそれぞれに、家族を亡くした経験や、介護を続けていく悩みなどがあり、この話を聴くことができて良かったという声が相次ぎました。そして、芸能人やスポーツ選手など影響力のある人に応援団になってもらう、大学の福祉関連の学部などで必須の活動になるような仕組みを作る、企業でウェルビーイングや人権を考える研修の一環として提案するなどの案が共有されました。

今回で17回目を数えるセッション、次回は9月26日です。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え、SVP東京と連携して実際の取り組みにつなげていく仕組みです。