6月27日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先であるJII(NPO法人アジア人文文化交流促進協会)の楊淼理事・事務局長が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計14名が参加しました。
UBSグループとSVP東京のパートナーシップが4年ぶりに始まり、再開されたコンサルティングセッションの5回目です。社会的課題の解決に取り組むNPOやソーシャル・ベンチャーの課題について、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え実際の取り組みにつなげていく仕組みです。
JIIの楊事務局長は、日本人の労働力人口が減っていく中で、日本で働き、暮らす外国ルーツの人たちが増える一方で、日本人コミュニティと接点をもてずに困りごとを抱えながら暮らしている方たちの状況からプレゼンを始めました。そして、その課題に対して、「おとなりさん・ファミリーフレンド・プログラム」(OFP)という取り組みを広げていることを説明しました。
特に強調したのは、外国人に対して命にかかわるような問題や専門的な支援はある程度の仕組みがあったとしても、普段の生活を支えるような支援が無い、ということでした。例えば、地元の自治体に何か書類を提出しなければいけない時でも、どういう書類がなぜ必要かわからないし、書類を書くだけでも外国人にはとてもハードルが高い、ということです。たしかに、我々が言葉の分からない国へ行って、書類を出せ、と言われても途方にくれてしまいますよね。そういう時、近くに住んでいる日本人の「おとなりさん」が、役所に付き添ってくれて、書類を書くのを手伝ってくれたら、とても助かると思います。
この事業、利用したいという外国ルーツの方も、日本人ボランティアも、急速に増えています。増えるスピードに、それを支えるスタッフが追い付かず、新規の方を受け付けるのを抑え気味にしているほどだそうです。
受付を抑え気味にしているのは、外国人と日本人をマッチングしてペアを作るプロセスをとても大事にしているからです。コーディネーターが外国人とも日本人とも1対1で面談し、困っていることや依頼したいこと、ボランティアとして貢献したいことなどを丁寧にヒアリングし、複雑な条件を考慮した上でマッチングしています。
外国人からも日本人ボランティアからも会費はいただいていますが、誰でも気軽に利用できる仕組みにしたいという思いから金額を抑えているため、利用者が増えれば増えるほど、そのマッチングをするためのスタッフの人件費の確保が難しいのが課題になっています。
プレゼンの後、グループに分かれての議論では、この活動で価値を感じてもらえるポイントを整理し、企業向けの新規事業のアイデアを話し合いました。
「おとなりさん・ファミリーフレンド・プログラム」は6ヶ月のプログラムですが、ボランティア参加に興味のある社員向けに時間を限定、ワンデイ(1日)でできるお試しプログラムを企画してみるアイデアが早速、動き始めました。
次回セッションは7月25日。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志とSVP東京のパートナーシップで支援できることを模索していく取り組みを続けます。