3月26日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先であるNPO法人ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)の名知仁子代表が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計12名が参加し、取り組む社会課題について議論しました。

名知さんは、循環器内科医として大学病院で働いた後、「国境なき医師団」の活動に参加しました。その時に関わった国のひとつ、ミャンマーが忘れられなかったことからこの活動を始め、2015年からミャンマーの無医村地域、ミャウンミャに住み、村々を巡回しながら医療と菜園の活動を続けています。
この日は、ミャンマー産のコーヒーの話からプレゼンを始めました。

ミャンマーで2010年代に民主化が進んだ頃、日本企業も数多く進出し、NGOも活発に活動することができました。しかし、2021年の国軍によるクーデターの後は、企業もNGOも活動を厳しく制限され、名知さんたちがミャンマーでの活動を続けることも、広報などで多くの人に知ってもらうことも難しくなっています。
そのため、ミャンマーのことを身近に感じてもらうきっかけになればということで、ミャンマー産のコーヒーの販売を始めました。ミャンマーのシャン州で女性の自立と地位向上に取り組むグループが自然農法で栽培した豆を輸入し、埼玉県内の障がい者就労支援施設の仕事づくりとして焙煎とパッケージを行い、売り上げの一部が名知さんたちMFCGへの寄付になる仕組みです。

そして、MFCGの活動の特徴は、移動クリニックによる巡回診療と、保健衛生指導と、菜園作りの支援を一体で行っていることです。

診療と並行して、地元の人たちに、きれいな水、トイレの重要性や病気に関する知識などを伝える人材育成(地域健康推進員の育成)に力を入れています。
また、病気を治す以前の問題として栄養状態を改善する必要があるため、身体にやさしく、土地にもやさしい有機農法による菜園作りを支援しています。

活動紹介の後、名知さんは、軍事政権による厳しい制約の中で日本の人たちに理解を広げる方法、特に若い世代に関心を持ってもらうにはどうすれば良いか、そして、特別なストーリーがあるミャンマー産コーヒーを広めていくための工夫について考えてほしいと訴えました。

議論では、コーヒーについては、企業内のカフェやシェアオフィスなど、ミャンマー産コーヒーのストーリーもあわせて伝えることができそうな販路の開拓が効果的なのではないか、若い世代へのアプローチについては、今でもMFCGの支援者は名知さんの話を聞いてファンになった人が多いので、医学部や国際協力に関わる学校などで名知さんの講演を増やすことが近道なのではないかなど、活発な意見が飛び交いました。

このセッションは3年目に入り、今回が23回目になります。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え、SVP東京と連携して実際の取り組みにつなげていく仕組みです。次回は4月17日の予定です。