2月19日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先であるNPO法人風テラスの徳田玲亜代表が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計12名が参加し、取り組む社会課題について議論しました。

風テラスは、性風俗で働いている人や働いていた人を、弁護士とソーシャルワーカーによる無料相談、困りごとのサポート、安心して話せるトークスペースなどで支援する活動をしています。
弁護士である徳田さんは、2015年に風俗店に出向いて相談を受ける事業に参加、現在までに1,000人以上の風俗従事者の相談を担当し、2024年から団体の理事長を務めています。

徳田さんが強調したのは、風俗で働いている人たちを支援することの必要性について、社会的に理解されにくいことでした。
そのために、約40万人と言われる風俗従事者の現状を、ピラミッドで図解して説明しました。

一般的に、「風俗で働く」という言葉を聞くと、メディアにも積極的に露出し、自分の意思で働いて高給を稼いでいる女性がイメージされます。しかし、これはピラミッドの一番上、ごく限られた層です。実際には、ピラミッドの左下、様々な理由で他の選択肢がなく、月収数万円以下で風俗で働いている層が非常に多いのが実態だと訴えました。
そして、そうなる理由として、困難な状況にある人たちにとって、行政や福祉の支援を受けるよりも、風俗に入ってしまいやすい理由があると言います。

支援を受けるためには手続きや時間が必要な行政に対して、即日採用されて働ける風俗、過去の経歴や家族関係などを聞かれる行政に対して、そうしたことを問わない風俗。
対比しての説明は、なるほどと思わせるものがありました。

徳田さんは「風俗に入ってくる前に知る」、「働いている時に相談できる環境」、「風俗を卒業したいと思った時の選択肢」の3段階で風テラスの取り組みを紹介。
自己責任や道徳の問題として片づけられがちなこの問題を、どうすれば「解決すべき社会課題」として広く社会に認識してもらえるのか、問いかけました。

議論では、「性風俗」という言葉を聞くだけでイメージが固定されてしまいがちで、「社会課題」として認識されにくい難しさに共感する声が多く出ました。それだけに、月収数万円以下という実態とピラミッド構造、行政・福祉の施策と風俗業界の対比、そうした社会環境の中で風俗で働き始める人たちの実情やストーリーを伝えていくことが説得力を持つのではないかという意見などがありました。

このセッションは3年目に入り、今回が22回目になります。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え、SVP東京と連携して実際の取り組みにつなげていく仕組みです。次回は3月26日の予定です。