10月24日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先であるNPO法人WELgee(ウェルジー)から登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計19名が参加しました。

UBSグループとSVP東京のパートナーシップによるコンサルティングセッションの9回目です。社会的課題の解決に取り組むNPOやソーシャル・ベンチャーの課題について、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え実際の取り組みにつなげていく仕組みです。

この日登壇したのは、WELgee代表理事の渡部カンコロンゴ清花さんと、育成事業部マネージャーの成田茉央さん。以前よりは難民認定の人数が増えたり、ウクライナ避難民のための新しい制度ができるなど、難民の背景をもつ人々の法的地位も特にここ数年、多様になってきましたが、難民申請をしている人たちが難民の認定を受けられる割合は依然として諸外国と比べて非常に低く、その確率が低い中でも中には4年以上も申請の結果が出るのを待ち続けなければならない現状があるところからプレゼンを始めました。その中で、WELgeeとしては、難民それぞれが専門性や経験を活かして企業に就職し、安心して働き続けられる所属や活躍の場、必要な人には法的地位の安定も得られるようにする事業に取り組んでいます。
これまでに、上場企業からスタートアップ企業、大手メーカーから国際NGOまで、さまざまな企業でアフリカ、中東、ヨーロッパ出身などの41人が採用された実績があるとのことです。

ただ、難民や難民申請中の方が日本企業で就労するには、日本特有の就職活動に関する情報不足、日本語の能力、周囲に頼れる人が少ないなど、多くの課題があります。そのギャップを埋めるために「メンターシッププログラム」を用意し、日本語研修なども行い、実際の就労支援につなげています。
この「メンターシッププログラム」では、日本人の社会人がプロボノ(ボランティア)で3か月間、週1回のペースで難民申請中の方とミーティングを行い、自己分析、履歴書を書いてブラシュアップ、応募する企業の研究などの活動をサポートするものです。

このプログラムを現在、3か月ごとに年4回、行っていて、プロボノ参加の社会人を増やすことができれば、今後、日本企業に紹介し、活躍できる難民人材を増やしていくことができます。しかし、その社会人を集めることに苦労していて、どうすれば参加者を増やすことができるか、グループに分かれて議論しました。

議論では、こうしたテーマに関心の高い社会人に個別にアプローチできる可能性のある団体やイベントなどのアイデアが出ました。さらに、企業の社会貢献部門や人事部に働きかけ、会社推薦のボランティアとして活動時間をカウントしてもらうなど、社会人が参加する際のハードルを下げ、ひとつの企業からまとめて複数人の参加を期待できる仕組みを作る案に、WELgeeでも実現可能性を感じていました。

次回セッションは12月5日。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志とSVP東京のパートナーシップで支援できることを模索していく取り組みを続けます。