4月25日、東京・大手町にあるUBSグループのオフィスで開かれたイベントに、SVP東京の投資・協働先である合同会社Renovate Japanの甲斐隆之代表が登壇。UBSグループ社員有志とSVP東京パートナーの計13名が参加しました。

UBSグループとSVP東京のパートナーシップが4年ぶりに始まり、再開されたコンサルティングセッションの3回目です。社会的課題の解決に取り組むNPOやソーシャル・ベンチャーの課題について、UBS社員有志がビジネススキル・専門性を活かして議論し、新しい切り口や実効性のある解決策を考え実際の取り組みにつなげていく仕組みです。

Renovate Japanの甲斐代表は、自らの生い立ちや学生時代に強く感じたことから貧困問題に取り組むことになった経緯から語り始め、日本の貧困問題の現状や、悪循環を招く社会構造についてプレゼンを進めました。

その中でRenovate Japanは、「人も空き家も地域社会もタテナオシ」と呼ぶ、改修中の空き家を活用する事業に取り組んでいます。
一度、貧困状態に陥ると、「家が無い」から「仕事が見つけられない」、「仕事が無い」から「家が借りられない」という風に「貧困の罠」にはまってしまう状況があります。
それに対して、改修が必要な空き物件に対して、住む家や支援が必要な方に入居してもらい、入居しながら改修作業に携わってもらうことで仕事にするという、ユニークな事業を推進しています。プレゼンでは、入居する人にメリットがあるだけではなく、空き家のオーナーさんや地域社会にとってもメリットがあることを訴えました。

2021年にこの事業を立上げ、これまでに東京都内などで4件の物件の改修を完了。現在は静岡県焼津市でビジネスホテルを1棟まるごと改修する、以前より事業規模の大きい改修を進めています。

プレゼンの後、UBS社員の方々には、焼津での改修事業のファイナンスと、事業全体を拡大していくための人材確保について、意見やアドバイスを求めました。
ファイナンスについては、金融機関の方々だけに細部に踏み込んだ質疑や、行政も巻き込んだ資金調達のアイデアなどが飛び交いました。人材確保については、一定の待遇を確保した上で募集するのは難しいステージの事業でもあり、どういう領域の人とのつながりを作っていくのかなどの議論に発展しました。

次回セッションは5月23日。月1回のペースで様々な領域の社会課題に取り組む団体代表に登壇してもらい、UBS社員有志とSVP東京のパートナーシップで支援できることを模索していく取り組みを続けます。