パートナーストーリー Vol.11 加藤氏
「成仏できないサラリーマンという言葉が刺さった」

Zoomの画面にカエルが踊る・・・(snap camera アバター)                                              二児の父、30代。九州男児。大手通信会社勤務。                                        そして、SVP東京のDXチームリーダーとしてなくてはならない存在・・・それが加藤氏だ。                                      ちなみに、加藤という苗字は被りが多いので、SVP東京では「ぺ」と呼ばれている。

北九州に生まれ育った加藤氏は、大学受験のタイミングで人生を変える出来事にあう。                      なんと、本命入試2日前、車に横から突っ込まれ、全治二週間の車いす生活になってしまったのだ。

「結果的に良かったんすよ」

と笑い飛ばす加藤氏は、結果的に地元の九州大学に進み、祖父と酒を飲みながら大学生活を謳歌し、後に結婚することになる奥様との出会いもここで生まれている。

大学院まで修了した後、推薦枠を蹴って、某大手通信会社に就職。当初はネットワークエンジニアとして、電波が悪いエリアに赴いて検証から改善プラン出しという泥臭い仕事や、緊急災害対応などをがっつりやっていたというが、本人は非常に性に合っていたと思い返す。

あっという間に4年の月日が流れ、プライベートでは結婚をして長女が生まれ、社内では本社勤務の話が回ってきた。何がしたいかと問われたとき、研究・開発という王道もあったが、なんとなく気が進まず、とりあえず”Global”がつく部署に行きたい!という乱暴なリクエストをもって、結果的に海外スタートアップ企業とのアライアンスを担当する部署に配属となった。

・・・そして数か月、なんと加藤氏は転職活動をしていたという。

「あんなにつまらないとは思わなかったんですよね」

現場である程度裁量権を持って好きなようにやってきた反動からか、本社でのこの、手触り感の無い、既に決まっている仕事の事務処理をしているような仕事が、無償につまらなく感じたという。

「とにかくあのときは、もやもやしていましたね。色々な面で」

そんなとき社内で、東北の南三陸で行われた研修に参加する機会があった。ランダムな人たちとチームを組んで泊まり込み、与えられたテーマに対して改善提案をするという内容だったが、これが思いのほか楽しく、また初めて「社会活動」というものに触れた瞬間だったという。

そこで知り合った人からの紹介で、たまたま社内で開催されていたSVP東京の活動に関する講演(代表の藤村氏が登壇)に参加。「なんか熱そうな人たちが集まっている」という印象を受けたという加藤氏に最も刺さったキーワードが、「成仏できない系のサラリーマン」の集まりだという言葉だった。

その場で入会を決めたという加藤氏は、翌年2018年に正式にSVP東京に入会する。

正直、「この社会課題に興味がある」というものがあったわけでも無かったし、何ができるのかも見えていなかった。何より10万円という入会費用も安くは無かったが、そのときは何かに駆られるように(奥さんに相談もせず)入会金を振り込んでいたという。

何を期待して入会したのか?

自分を、「もやもや系サラリーマンのモデルだった」と振り返る加藤氏。                            とにかく、当時抱えていたもやもやを晴らしたかったという。                                 誰かに何かをしたい、何かに貢献しているという実感が欲しい、そして、何かに本気で取り組んでいる人たちと活動したい・・・

入ってから次々に衝撃をうけたという。良い意味でも、悪い意味でも。                             その年の投資協働先を決めるプロセスを運営していたメンバーたちの優秀さと熱意に驚き、社会起業家の人たちの本気の言葉に衝撃を受け、そしてとある団体との出会いで、しばらく忘れていた、気持ちが熱くなるという体験をする。

その団体が、2019年に採択された団体であり、加藤氏が共同LP(Lead Partner)を務める、NPO法人アクセプト・インターナショナルだ。https://accept-int.org/

NPO法人アクセプト・インターナショナルは、ソマリアなどのテロや紛争が多発しているエリアにおいて、武力的方法による解決ではなく、当事者たちを脱過激化・積極的社会復帰を促進することによって根本解決するという斬新な取り組みをしている。

彼らの活動、そして活動に関わるメンバーの想いにうたれ、その年の選考プロセスで全面推しするものの、落選という挫折を味わう。

後から振り返るとそれなりに選考理由も受け入れることはできたが、当時はまだ業界の知識も浅く、想いに突き動かされていた加藤氏は、とにかく「理不尽だ!なんてふざけた団体なんだ!」と、SVP東京に対して怒りまで覚えていたという。

怒りが転じて、なんと加藤氏は、翌年の投資委員会をリードすることになる。                          そして、この経験が自分にとって非常に良い経験となったと振り返る。

1年越しに改めて、世の中にはどういう社会課題があって、そこに取り組むどういう団体があって、何を目指して活動していて、我々(SVP東京)はそこに対してどういう目線で選考を行って投資先を選ぶべきなのか・・・                     そういったことを俯瞰しつつ、かつ網羅的に考えられるようになった。

また、投資委員会に参加したことで、思いがけない副産物があったという。                            投資委員会というのは、アサインされてやるものではなく、自主的に手をあげたパートナー達によって組成される、自発的組織だ。そして、そこの組織でどういう役職にいるかは関係なく、手をあげた者がリードすることができる。

同い年で本当に優秀なコンサルタントや、大手金融機関の重役といったメンバーと一緒になって選考プロセスを作っていくという、会社の中では決して得られない経験をすることができた。そして、その中でも自分がきっちりと価値を出して、プロジェクトを進めることができた、という実感は、自分に対する自信になった。

そしてそれは、本業の会社の仕事へも良い影響をもたらす。                                  大企業での仕事は、ともすると何のためにやっているのかを理解しないまま進めていることが多い。そして、それが「つまらない」と感じてしまう要因であったりする。

SVP東京での活動は、そういった環境に対して自分が声をあげて発信してもいいんだ、と。いい意味で図々しくなるきっかけをくれた。その姿勢の変化のおかげか、会社での仕事にも楽しさを見出せるようになってきたという加藤氏は、殻を破って「新しい自分」を見つけ、本業でのアメリカ行きが決まっている。

翌年、自身が投資委員会を務める投資選考会で、無事にアクセプトインターナショナルが採択される。それまでの1年間、実はもう1名のパートナーと一緒に、ひっそりとサポートは続けていたのだが(裏V活動・・・と呼ばれる)、やはり改めて採択されて、大手を振って支援できるようになったというのは嬉しかったという。

自分と同じように共感するメンバーが集まり、バランスのとれた良いチームが組成され、模索しながらも徐々に良い形で価値を提供できるようになっていった。

「ぺ問題」とまで言われる・・・

今、SVP東京は、加藤氏に抜けられたらどうするんだ?と、2000年問題ならぬ「ぺ問題」という用語が生まれるほど彼に対する信頼が厚い。特に2年目、本人はもう、投資委員会はいいかな・・・と思っていた矢先、コロナ禍になる。あそこまでがっつり現場に入り込んでやっていたことを全部オンラインにできるのか?無謀にも思えた挑戦に燃え(燃えてしまい)、結果として八面六臂の活躍をしてしまう。

今までFacebookやメールがメインだったコミュニケーションを、完全にSlackへと移行。Zoomを契約し、ミーティングは100%オンラインに。Slack勉強会を自ら開催し、気後れするパートナーへも根気よくチュートリアルを続けた。奇しくも本業でSlack導入をリードする立場にもおり、SVP東京で実験的な使用事例を作り、今は協働先団体への勉強会も実施している。

自らの気付きと、これからSVP東京に入る人たちへ

SVP東京には、多様性のある人間が集まっている。                                      チームで、仲間と一緒に活動するからこそ、全部自分でやる必要はない。                                自然体で自分の得意なところで力を発揮すれば良いし、片意地をはって八方美人にならなくても良い。               それがひたすら気持ち良い。                                                そして、本業では気付けていなかった自分と出会うこともある。

人生は、出会いとタイミング。                                               言語化できないけどなんかモヤモヤしている・・・という人はたくさんいるはず。                            自分のことが良く分かっていない人もたくさんいるはず。                                   なんとなく社会貢献したいけど手段がわからないという人もたくさんいるはず。                         そんな人たちに、SVP東京は確実にはまると思う。

とりあえずまだパートナーは継続する予定だという加藤氏。

「正直、10万円はきついですけどね(笑)がっつりタスク拾うので、誰か負担してくれないですかね?」

 

※SVP東京にパートナーとしてジョインすることにご興味ある方は、

下記のページより入会説明会へご参加してみてください

<<2022年パートナー募集説明会>>

 

 

(聞き手:桐ヶ谷)