パートナーストーリー Vol.4 栗原氏
「社会を動かす“お金”の使い方の幅を広げる」

 

SVP東京には、2013年からパートナーとして関わっている栗原氏。
選考会の司会や投資委員会、共同チームでの宴会部長を務めるなど、多面的な関わり方をする中堅パートナーである。

 

入会当時の本業は、大手の証券会社だったという。
「元々、大学時代から“お金の使われ方”については関心があったんですよ」

コンサルファームブームというもあり、就職活動をしてみて、いくつか選択肢はあった。その中で、やはり社会を動かしている「お金」という仕組みに関わりたいという気持ちが強く、最終的には銀行を選択した。

しかし、大学でいかにデリバティブなどを学んだとは言え、やることは自転車に乗ってのドブ板営業。先の見えない働き方に疑問をもった栗原氏は、いったん会社を辞め、フルタイムで社会人大学院に通うことにした。

2年間の大学院生活を終え、やはりお金という軸は残ったものの、「投資」の分野に興味が強くなった栗原氏は、今度は証券会社を就職先に選んだ。当初やっていた仕事は、上場企業の役員クラスに対して、営業の「付加サービス」として財務アドバイスを行うというもの。その後、部署改編でM&Aを手掛けたりもするようになり、順調に出世もしていくが、外側から事業会社に関わっていくうちに、もっと深く携われないのか、と思うようになった。

「そんなとき、色々と調べていて、偶然手にしたのが、フローレンスの駒崎氏の本だったんです。その中で触れられていた団体が、『SVP東京』で、それがきっかけです」

 

 

社会課題に取り組んでいる団体に対し、お金とアドバイスを提供することによって、社会貢献できるだけでなく、自分にも学びが得られそう・・・というのが、SVP東京の活動に対する最初の印象という。

その後の動きは速い。SVP東京が不定期に実施していたネットワークミーティングというイベントに参加し、そこで出会った現役パートナーの人たちと話をし、その場で入会を決めた。

たまたま話をしたパートナーの1人が某大手証券会社の重鎮で、Social Investmentという考え方について話を聞くことができ、投資という観点で活動に強い興味がわいたのも、入会を後押しした要因のひとつだった。

 

SVP東京に入会後、パートナーとしていくつかの団体に関わるも、必ずしも推している団体が選考を通るとも限らず、思わぬ挫折を味わうこともあった。

グローバルな活動をしていて興味を惹かれた「ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会」というNPO法人は、無事に選考を通過し、正式に支援チームに参加。主に行った活動は、組織周りのキャパシティビルディングで、今まで付き合いのあった事業会社(しかも大手)とは違う、NPOならではの難しさ、複雑さを、2年間の協働活動を通して学んだ。協働は終了し、団体は無事に卒業していったが、活動終了後も関係は切れずに続き、栗原氏は現在、この団体の理事を務めている。

 


(写真:元代表の岡本氏と)

 

「色々な関わり方があってもいいんじゃないですかね」
と、栗原氏は語る。

「SVP東京創設時と今では、社会の状況も変わってきています。段々と、社会課題と“普通”の社会の垣根もなくなってきつつあります。

立ち上げ当初に参画した人と、今参加する人の心持ち、意識は違いますし、世代間の価値ギャップもあるでしょう。参加の仕方、投資する時間の濃淡、色々な形があっていいと思っています。SVP東京のパートナーはこうあるべき!というものは特にないので、『面白そう!』という軽い感じで入っていただいてもいいと思っています。逆に、参加する皆さんで新しいSVP東京を創っていってほしいです」